電気工事士とはどんな仕事か

電気工事士は、住宅・ビル・工場などに電気設備を設置・点検・修理する専門職です。照明やコンセントの配線工事から、大型設備の高圧受電工事まで、私たちの生活インフラを支える重要な役割を担っています。

電気設備の工事は「電気工事士法」によって、有資格者でなければ行えないと定められています。つまり、資格さえ取得すれば仕事に困らない、まさに「手に職をつけられる」職種です。

仕事の主な内容

  • 一般住宅・マンションの屋内配線工事
  • 分電盤・配電盤の設置・交換
  • 照明器具・コンセントの取り付け
  • エアコンや給湯器の電気配線
  • 太陽光発電システム・EV充電器の設置工事
  • 工場・ビルの高圧電気設備の保守・点検

第一種・第二種の違いを理解しよう

電気工事士の資格には「第一種」と「第二種」の2種類があります。未経験からスタートする場合は、まず第二種から取得するのが定番のルートです。

第二種電気工事士

第二種電気工事士は、一般住宅や600V以下の低圧受電設備の電気工事を行えます。試験は年2回(上期・下期)実施されており、受験資格に制限がないため、誰でもチャレンジできます。

  • 受験資格:なし(年齢・学歴不問)
  • 合格率:筆記試験 約60〜65%、技能試験 約70〜75%
  • 試験費用:約9,300円(筆記+技能の合計)
  • 学習期間の目安:独学で2〜3ヶ月

第一種電気工事士

第一種電気工事士は、第二種の範囲に加えて、最大電力500kW未満の自家用電気工作物(工場・ビルなど)の工事も行えます。より高度な現場に携われるため、収入アップやキャリアアップに直結する資格です。

  • 受験資格:なし(ただし免状取得には実務経験3〜5年が必要)
  • 合格率:筆記試験 約40〜50%、技能試験 約60〜70%
  • 試験費用:約11,300円(筆記+技能の合計)
  • 学習期間の目安:3〜6ヶ月

第一種・第二種の比較表

項目第二種電気工事士第一種電気工事士
工事できる範囲一般住宅・低圧受電設備高圧受電設備を含む
受験資格なしなし
免状取得の実務経験不要3〜5年
試験費用(目安)約9,300円約11,300円
筆記試験の合格率約60〜65%約40〜50%
年収相場300〜450万円400〜600万円

未経験からの転職ルート3選

電気工事士は、未経験からでも転職しやすい職種のひとつです。多くの会社が「資格取得支援制度」を設けており、働きながら資格を取る環境が整っています。

ルート①:先に資格を取ってから転職する

第二種電気工事士は独学でも取得可能です。テキスト・問題集・技能試験の練習材料をそろえても、費用は2〜3万円程度。資格を持った状態で転職活動に臨めば、採用率が大きく上がります。現職を続けながら勉強できるため、収入を途切れさせずに転職準備ができるのも利点です。

ルート②:見習いとして入社し、働きながら取得する

多くの電気工事会社では、資格なし・未経験の「見習い採用」を行っています。先輩の作業補助をしながら実務経験を積み、会社のサポートを受けながら資格を取るルートです。

  • 見習い期間の目安年収:240〜300万円
  • 試験費用の会社負担や、受験日に有給を取りやすい環境が整っている会社も多い

ルート③:職業訓練校を活用する

ハローワークと連携した職業訓練校では、電気工事士の試験対策を無料または低コストで受けられます。訓練期間は約6ヶ月で、筆記・実技の両方をカバーしています。離職後に腰を据えて学びたい方に向いているルートです。


電気工事士の年収と将来性

年収相場

電気工事士の収入は、資格の種類・経験年数・会社規模によって大きく変わります。

  • 見習い・未経験:240〜300万円
  • 第二種取得後(経験1〜3年):300〜400万円
  • 第一種取得後(経験5年以上):400〜550万円
  • 独立・個人事業主:500〜800万円(案件・地域次第)

独立開業する場合の初期費用の目安は50〜150万円程度(工具・作業車・保険・開業手続きなど)です。会社員として実績と人脈を積み上げてから独立する方が多く、成功すれば会社員時代を大きく上回る収入を得られます。

今後も需要が拡大する理由

電気工事士は、以下の社会変化によって今後もさらに需要が高まると見込まれています。

  • 太陽光発電・蓄電池の普及:再生可能エネルギー設備の設置工事が全国で増加中
  • EV(電気自動車)の普及:家庭・駐車場・商業施設への充電設備設置需要が拡大
  • 老朽化インフラの更新:全国の電気設備が更新時期を迎えており、継続的な需要がある
  • 深刻な人手不足:ベテランの大量引退が続いており、若手・中堅の採用需要が高い

「AIに仕事を奪われにくい」現場系職種としても注目されており、長期的に安定した働き方が期待できます。


転職活動で押さえておくべきポイント

求人選びの3つのチェックポイント

未経験から転職する際は、以下を求人票で必ず確認しましょう。

  1. 資格取得支援制度の有無:試験費用の補助・勉強時間の確保ができるか
  2. OJT体制の充実度:先輩が丁寧に教えてくれる環境か、1人立ちまでの期間はどれくらいか
  3. 休日・残業の実態:建設業界は長時間労働になりがちなため、週休2日制かどうかを確認

面接でよく聞かれる質問

  • なぜ電気工事士を目指したのか
  • 体力仕事・高所作業に問題はないか
  • 資格取得に向けて自分でどう取り組む予定か

「手に職をつけて長く安定して働きたい」という動機は、面接官に好印象を与えます。転職を決意したきっかけや、学習への意欲を具体的なエピソードと合わせて伝えると説得力が増します。


まとめ

電気工事士は、未経験からでも資格と実務経験を積み上げることで、安定した収入とやりがいのあるキャリアを実現できる職種です。

  • 第二種から始めて、経験を積みながら第一種を取得するのが王道ルート
  • 年収は経験・資格次第で300〜600万円が相場。独立すれば500〜800万円も狙える
  • 再生可能エネルギーやEV普及の追い風で、今後も需要拡大が見込まれる
  • 見習い採用・資格支援制度を活用すれば、未経験でもスタートしやすい

20〜40代の転職は「遅すぎる」ことはありません。現場で手に職をつけ、長く活躍できる電気工事士という選択肢を、ぜひ一度真剣に検討してみてください。